適応障害と疫学

適応障害と疫学

疫学という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは、集団を対象として、疾病の発生原因などを研究するといった学問です。もともと伝染病についての研究がされていたため、「疫学」ときくと、伝染病を思い浮かべるかもしれませんが、現在ではどんな病気も含まれます。

 

それでは、疫学における適応障害とはどのようなものなのでしょうか。

 

疫学とはなにか

前述のとおり、疫学とは疾病に関する発生原因などを研究する学問ですが、そこで研究するものは、発生原因だけではありません。

 

その疾病にかかっている患者の数や、人口からの割合、男女比なども研究されています。

 

また、どのような生活を送っている人がなりやすいか、どういった性格だとなりやすいか、というようなことも研究されています。

 

疫学での適応障害

疫学によると適応障害はどんなものなのでしょうか。

 

まず、適応障害の有病率は2?8%だと言われています。100人中2~8人は適応障害の人がいるということです。思ったよりも多いのではないでしょうか。適応障害経験者ということなら、もっといることになるでしょう。

 

男女比は1:2で、女性の方がなりやすい病気のようです。特に、独身女性が多いという傾向もあります。また、長期入院をしている人というのも、適応障害になる人が多いということです。入院中の患者の12%が適応障害になっているという報告もあります。

 

確かに、長期入院となると、いつもとは異なる環境で過ごさなければなりませんから、適応障害になりやすい環境だということは、想像がつきます。

 

年代には偏りが少なく、どの年代でも適応障害になる可能性があるようです。

 

また、劣悪な環境にいればいるほど、適応障害にはなりやすい傾向にあるでしょう。