適応障害と脳の病気

適応障害と脳の病気

適応障害は、精神疾患の1つですから、一般的には心の病気だと分類されます。これは間違いではないのですが、心の病気ということは、精神的な部分で頑張れば、病気が治るのだと思われがちです。

 

ですが、適応障害をはじめとした心の病気というのは、単に心に問題があるというわけではなく、脳のはたらきで心が弱っているのです。

 

ここでは、適応障害と脳について考えてみましょう。

 

適応障害は脳の病気?

適応障害は前述のとおり、心の病気だといえます。しかし、これは心自体に不調が現れているというよりは、脳の神経系の不調が災いして、心に不調をきたしているという状態なのです。

 

ですから、脳出血や脳梗塞とは種類が違うものではあるものの、脳の病気だと言ってしまっても、間違いではありません。もっというと、脳の神経系の病気というところでしょうか。

 

そのため、気持ちをどうにかしたところで、すぐに治るような、いわゆる「気の持ちよう」とはちょっと性質が違うのです。

 

適応障害=心が弱いではない

適応障害や、その他の精神疾患が、脳や神経系の異常というのが関わっているということは、適応障害は甘えなどではありません。現に、本人がどれだけやる気を出したい、元気になりたいと思ったとしても、すぐに元気になれるようなものではないのです。これは、脳や神経系が憂鬱な気分になるようなはたらきをしているからです。

 

つまり、適応障害になると心が弱いと言われがちですが、そうではなく、ストレスなどで疲れが極限までにたまりすぎて、そのために脳のはたらきがうまくいっていない状態なのだと言った方がいいでしょう。

 

適応障害になった人に、心が弱いと言ったり、努力が足りないということは、かなり禁句です。どうかそういった間違った認識をしないようにしましょう。